Crystal Sky 〜お姫様は、魔法使いに恋をする。〜
明日もテスト ―――
家に入ると、お客さんが 大勢来てて
挨拶してから 二階にあがった
… 国語、やらなきゃ
なのに、教科書開いても
全然頭に入って来ない…――
… ダメダメ!!
せっかく魔法使いが
わたしの為に 時間使ってくれて…
それ、台なしにしたら
絶対に、ダメなんだ…
だけど、心の中に
ずっと浮かんで来る 寂しいキモチは
理屈とか、そういうのじゃ
心の中から 消えて行かない…
――… そうだよ
下から 笑い声、聞こえて来て
それなのに、ここは静かだから
きっと余計に淋しくなるんだ…
こういう時の 波の音は
ただそれだけで 切なくなる…
ケータイ
海の音にも似た
遠くからやって来る
波の気配を
ボタンを押しながら
少しづつ 捕まえて行く …―――