Crystal Sky 〜お姫様は、魔法使いに恋をする。〜



「え、と、街の…
雑貨屋んおじいしゃんがら
もろうて来…」


「名前…

… そん、おじいしゃんの…名前は…?」




―――… 名前




お店の名前は覚えてる
おじいさんの名前も聞いた


だけど、はっきり覚えてなくて
カバンの中から急いで出したのは
あの日メモした、スケジュール帳




書いてあるページを広げて
差し出した…




受け取ったおばあちゃんは
ジッと そこを見つめて …―――


次には手帳を抱きしめ
畳にヒザついて、泣き出してしまった




「――… 生きてた


… 消えてしもたと…思っとった

あん人、生きてた…

ずっと…

ずっと… 待っとったんよ…」




「…っど…」


… どういう事?


雑貨屋のおじいさんと
おばあちゃんは…知り合いって事…?




「―――― スイ 行くぞ」





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