Crystal Sky 〜お姫様は、魔法使いに恋をする。〜
歌うのが好き ―――
みんなみんな、一緒だって思った
皆の歓声と
『歌う意志』って言葉が
黒い画面に出て来た時
速かったはずのドラムの音が
心臓の鼓動と、同じリズムになった
三人とも感動して
でもどうやって伝えたらいいか
本当に わからなくて
学校のPCから、サイトも見たけど
会員制で、メールは送れなかったし
掲示板にカキコするのも
なんだかこわくて、恥ずかしかった
だから 歌った
カコちゃんがもう、高校生で
友達とプロフやったりしてたから
ケータイで、顔だけかくして撮った奴
ホムペ作ってもらって、そこに載せた
「… "魔法使い"とか
でも、すごくカワイイいたずらだね〜」
「うんうん」
カコちゃんの言葉に
わたしとアヤちゃんは、ヒザを抱えて
クスクス笑いながら答える
「きっとさあ…
その人も、アズ好きで
なんかでホムペ、みつけてくれて
それでメール、くれたんだと思うよ」
「かなあ…」
「… だって、アズがいるのは
"エクレシア"って所じゃないけんね」
「そうなん?」
「うん」
「そっかぁ…」
「よお!
なにしよるん?こんな所で!」
「――― あ。ヨッチャン!!」
クラクションが鳴って
アヤちゃんが立ち上がった