Crystal Sky 〜お姫様は、魔法使いに恋をする。〜
もしかしたら
避けられてるのかなって
途中で 思って…
先輩が、屋上で言ってた事なんか
全然気にしてない
… けどそうじゃなくて、もしかしたら
ただ嫌われただけかもしれないって…
そう考えたら、怖くて
三年の教室までは 行けなかった…
でも、お礼が言いたい
一言で…いいんだ
「―― スイ〜!撮れた〜?!」
「あ… う、うん!」
早朝、海辺
波の音、静か
「ばってんしゃ… カコちゃん〜
こぎゃんけん、よかと?」
「え?なんの?
アヤにも監督さんから電話来よるやろ?」
「来よるばってん〜
プロモ撮るっちゆうがら
撮影んもんげな
いっぱいきんしゃーかと思っとったんに
… ケータイ、うちらでムービー撮っち
送っちくれげなしゃ」
「監督さんは景色だけ撮って
帰ったみたいだよ」
「え?!なしけん?!」
「なんか…
知らない奴が、変に構えて撮るよりも
友達同士んほうが
自然なもん、撮れるだろうって」
「…早苗しゃんから
監督カッコイイっち聞いてたから
ひそかに逆ナンしゅる予定げなに…」
「またアヤは〜!!」
皆で笑いながら
またお互いを撮影
本当は ―――
アヤちゃんが送った奴が
冬にCDになるって話だったんだけど
わたしがこの間
船の中で作った『うきわくん』って曲
エクレシアの人たちが気に入ってくれて
まずこれのプロモーションビデオ作って
サイトで流す事になったらしい
今回の事
わたし達一人一人に
電話をくれた、監督さんは
… なんかちょこっと
ドキドキする 話し方をする人だった
「よし!今回の分、送信…っと」
「わたしも送った〜」
「送った〜」
「… どんな風になるんだろうね」
「楽しみ」
「じゃあ学校、行こうか〜」
「うん」