Crystal Sky 〜お姫様は、魔法使いに恋をする。〜




久しぶりの、アヤちゃんの家




「―――… 早苗しゃん!!」


「お帰りなさい!スイちゃん!」


「なるみちゃん!
ちょこっと待っとって!
カコちゃん、船乗ったけん!」


「うん!」




大きい居間


釣り舟で一緒に撮った
お客さんたちとの写真とか


大きな魚を釣った時
スミを塗って、和紙に写す魚拓
壁にいっぱい貼ってあって




アヤちゃんは
前に来た時より大きくなった
液晶テレビの前に座って
リモコンとか、一生懸命いじってる




「――… 本当はね?

最初はネットにあげて
三人に見て貰う予定だったの

でも、岡田監督が…
『直に彼女たちに見て貰いたい』って


だから…御本人がここまで
いらっしゃる予定だったんだけど
とてもお忙しい方だから…
マネージャーの私が!って…」




「… なるみちゃん」


「はい?」


「あんた、監督に惚れとうんやろ」




「――… えええええっっ?!
な、なに言ってるのアヤちゃんっっ!!」


「隠してからも〜、わかるけん〜
顔に、思い切り出とうよ〜?」




早苗さん 真っ赤で
アヤちゃんは、いひひって顔しながら


コーラと 乳酸飲料割った奴
氷入りのカルコーク作って
ビーズ入ったマドラーで混ぜて
居間のテーブルの上に、出してくれた




「… あ、あくまでも監督とは
仕事上のお付き合いですから!

私はマネージャーなんだし
し、新人だからって
それくらいの分別はあります…!」




いろんな色のビーズ


いろんなキモチ


早苗さん キレイ…




「こんにちは〜!」


玄関、引き戸を開ける音


「カコちゃん!お帰り〜!」


「おっ…!お帰りなさい!」







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