Crystal Sky 〜お姫様は、魔法使いに恋をする。〜





「…… はぁ」


風鈴と一緒に聞こえた溜め息
自分のかと思ったら


横でテーブルに突っ伏してる
アヤちゃんだった



「… どげんしたと?」


「わからないとこある?」




勉強、教えに来てくれたカコちゃん
心配そうに、アヤちゃんの顔を見てる



「わからんばいっちゆうなら
全〜部〜わからんばい…」


「アヤ…。」


「そげな事よりも〜」


「ん?」


「うちやっぱり、下手だわ…」


「えっ?!なんの?!」


「うきわくんよぉ…
しぇっかく、よか楽器貰っち
プロモ、作っち貰ったんに

… なんか、機械使いこなされんし…
聞けば聞くほど…」


「―― そんなごとなかよ!
ばりばりと思うよ?
早苗しゃんも、言いよったろぉもん!」


「…… はぁ」


うきわくんの、演奏部分は
真木さんがくれた奴とかPC使って
アヤちゃんが全部、一人で作った




「それよりアヤ、コメ書いた?」


「――…!!
ぅい、まだやった!」


「う、うちも書かんとっ!!」


急いでケータイ
二人して取り出す


「明日までだからね
それに、ラジオでた時
自己紹介する時の挨拶も…」


「い、なん日?!なん時だっけ?!」


「終業式の日、夜7:00」


「なん聞かれるんちゃろう!」


「バンド名の由来とか
そういうの聞かれると思うよって
早苗さんは言ってたよ」


「そりゃ、うちばってん、想像つくわよ
アバウトしゅぎる…」




ケータイ
カチカチ打ちながら


アヤちゃんの言い方がおかしくて
三人で、げらげら




… アヤちゃんが、珍しく
こんなに弱気な事いうのは


ちょこっとだけ、理由がある




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