Crystal Sky 〜お姫様は、魔法使いに恋をする。〜



入道雲

きらきら きらきら 青い空




屋上の、青い扉が 開かなくなってからも
しばらくは階段のとこで、座って食べてた




でも途中から
二年の少し、怖い先輩とかが
たまり場にするようになって




…だけど
お母さんが作ってくれたお弁当は
絶対に 捨てたりしたくなかったから



ひとりで食べられるところ
探してみたんだけど
学校って、やたら広いのに
そういう場所が、全然ないんだ




最初は、帰りの船に乗って
食べて帰れば良かったんだけど
本格的に、暑くなって来てからは
放課後まで、とっておけなくなった



なら朝、先に食べて行こうと
ジュースを買いに寄ったのが
小学校の時によく来てた
この 駄菓子屋さんで ―――


ずっと、誰も来ないし
そのまま学校、サボってしまった




… もう 三日になるし
そろそろヤバイのはわかってるけど


ここ、ずっとラジオがかかってるから
なんだかすごく、ホッとして


おばあちゃんも
わたしが制服着てるの、わかってるのに
なにも言わないし、声とかかけない




「… これ なんて歌ちゃろ…」




アズライトの声 …


すだれの下、日かげから
少しだけお店の中、のぞいてみる


イカとか飴玉入った
瓶の横に置いてあるラジオ


目盛りを見たら、地元のFM局


ケータイで、曲調べようかと思ったら
電波悪くて


ベンチから立ち上がって
ひなた、道の先に出た




「…… ぅわ 」




貧血





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