Crystal Sky 〜お姫様は、魔法使いに恋をする。〜
――― 大人になるって
もっと いいもんかと思ってたのに
あんなケンカだって、小さい頃なら
先生に、ゲンコツ貰って済んでた…
目の前に 星がチワチワ集まって来て
だんだん視界が暗くなる
… しゃがんだ
少しすると、しばらく止まってた
葉っぱの擦れ合う音や、セミの声
ラジオからの曲が
また雑音と一緒に聞こえ始める
落としたアイスが
熱いアスファルトの上で溶けて
どこから来たのか
すぐにアリが、それを発見して
細い列を ずっと作ってるのが見えた
―――… 誰ちゃろ
誰か来る…
微かな足音がして、持ち上げた頭
ゆらゆら揺れる、白い道のむこう
ステッキ持って、三角帽子
えんじ色の服に、ジーンズ履いて
マントした人が、歩いて来た…―――