Crystal Sky 〜お姫様は、魔法使いに恋をする。〜





「オバーサン!水貰うよ
お金、ここに置くからね!」


「はいはい〜 ありがとうね〜」



「―――… 平気か?」


… 誰?

わたしに、聞いてる…?


「ひぁ…?!!」




急に体が浮いて
次にはどこか、日影に入った


誰…?!




口を開けられ
冷たい水が、少しづつ中に入って来る


「ゆっくりで いいからな」




飲むのに一生懸命で
誰なのか、顔が見たいのに


それに ノドが勝手に
水を欲しがって止まらなくて
その人の手首を
ギュッと握ってしまう




それに少ししたら
勝手に、涙が出て来て…


長い人差し指が 口から零れた水を


頬を支えててくれた 親指が
わたしの目元を ソッと 拭ってくれた…




< 48 / 382 >

この作品をシェア

pagetop