Crystal Sky 〜お姫様は、魔法使いに恋をする。〜
「オバーサン!水貰うよ
お金、ここに置くからね!」
「はいはい〜 ありがとうね〜」
「―――… 平気か?」
… 誰?
わたしに、聞いてる…?
「ひぁ…?!!」
急に体が浮いて
次にはどこか、日影に入った
誰…?!
口を開けられ
冷たい水が、少しづつ中に入って来る
「ゆっくりで いいからな」
飲むのに一生懸命で
誰なのか、顔が見たいのに
それに ノドが勝手に
水を欲しがって止まらなくて
その人の手首を
ギュッと握ってしまう
それに少ししたら
勝手に、涙が出て来て…
長い人差し指が 口から零れた水を
頬を支えててくれた 親指が
わたしの目元を ソッと 拭ってくれた…