Crystal Sky 〜お姫様は、魔法使いに恋をする。〜



教室に行くと
誰もいなかった ――


時間割を見ると、化学


追いかけて来るように
聞こえてた、担任の声
言っていたのは
このことだったらしい




カコちゃんやアヤちゃんには
クラスでの事、全然話してないけど


朝、船に行かないのはわかってたから
適当 学校に言ってくれてたみたいだ




シーンとした教室
机に座って、鞄を開く




… ヨッチャン、追い掛けて来てて


まだ、駄菓子屋さんは
開いてる時間じゃなかったし
家に戻るのも、出来なかったから
いつもより一本、遅い船に乗った




… 今一番、来たくない場所なのに
ここしか、来る場所
思い付かなかったのが くやしい…




船に乗ってた時


… ずっとずっと


…あの人の事 考えてた


ずっとずっと 思ってた


このまま、どこか ――――




ぱたりと 胸元で音


「…あ 」




… おかしいよね?


だって たった一回、会っただけの人で


それに…




――… 魔法使いは 指輪をしてた…





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