Crystal Sky 〜お姫様は、魔法使いに恋をする。〜
五階
音楽室
真っすぐ続く廊下
赤いランプの消火栓
誰もいない ひんやりした空気
「 ―――… あ 」
ふいに上から
風が流れて来て、立ち止まった
階段 …
無意識にたどり着いた屋上
青い色したドアの前
"立入禁止"の紙は そのままだけど
少し、透き間が開いてて
外からの光が 踊り場に差し込んでる
笑い声と ラジオの、音 ―――
誘われるみたいに ノブへ
指、かけようとした時
「…何してるん?」
突然、後ろから声をかけられて
ビクッとして振り向いた
――― 目の前に立っていたのは
… 制服のズボンに
派手なTシャツ着て、髪は金色
あごにヒゲが生えてる 男の人と
制服、ピアス、長い爪、お化粧
もう、心臓バクバクして ―――
何で忘れてたんだろう…
ドアの向こうからも
なんか、たくさん声がする
慌てておじぎして
そこから離れようとしたのに
「――― 待てよ!!!」
腕…思いきりつかまれた…―――