夏の前の日

「もう5時過ぎじゃん。
 今日けいすけらと焼肉だぞ?」

共通の友達。
けいすけ、が俺の“いってらっしゃい会”を
しようってことで焼肉を奢ってくれる。

「忘れてた。帰ろっか」

また切なそうに笑う。
今日のこともきっと数年後には一緒に
笑えれるだろうか。

時間が止まればいいのになんて
女々しいことを思いながら
帰路についた。


「楽しかったね〜見てよこれ」

さっき撮ったプリクラを見ながら
ゲラゲラ笑うリン。

「リン、こっちきて」

細すぎる腕を掴んで
ベッドにリンを引き寄せる。

「髪がぐっちゃんなる」

「俺、ボーズじゃけ関係ないし」

「フフッ自己中〜!!!」

いつもみたいに俺の脇にリンが
入り込んできて

いつもなら、こしょばいいって
どけるけど上から覆い被さった。

「・・・なぁ、オレんことずっと
 好きでおってくれる?」
< 15 / 73 >

この作品をシェア

pagetop