夏の前の日

時間止まってくれ

何度目だろう
叶わない願いを心で祈り続けるのは。

こいつらはきっと、
明日もこうして笑っているんだろう。
羨ましくてたまらなかった。


「俺ん家で飲み直すか」

時間は22時前。
あと、12時間。

時間を気にするのはちょー嫌だけど
こんなときは気になって仕方ない。

「サンセー!!!」

腕に絡み付いているリンも
声を上げて、結果飲み直すことに。

近くのスーパーで大量にビールを買い
みんなで家に向かった。

宴会は朝まで続いて5時前に
みんなは帰っていった。

日常だったこの毎日が、
寝て起きたら【非日常】と化する。
辛い現実。
受け止めなきゃいけない現実ーーー


「楽しかった。ねぇ、ユウ」

「だな」

また切なそうに笑うリン。
同じことを思っているのだろうか?

「お片づけ明日にするけん
 歯磨きしてギューしよ」
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