夏の前の日

それから何日か経ったけど
リンからの連絡はないし

俺からの連絡も一切無視。


こんなこと初めてだったから。


あいつが家を出た数日後に
リンの働いていたキャバクラへ
飲みに行った。


「うお!ユウくん元気してた?」

「ぼちぼちっすよ。
 ナオさん。リン指名でいいっす?」

「は?9月いっぱいでやめてるよ」

「・・・え」


ここに来れば会えると思った。
ここにもリンはいなかった。
会えなかった。


「知らなかったの?」

「はい。振られたんですよ、ハハッ」

「リンあんなにユウ君のこと
 好きだったのに。
 東京行くからか??
 ただでいから飲んでいきなよ」

「あざす…」


リンがいなくなってから
飲んでない酒を久々に飲むと
すぐに酔っぱらって
1時間もせず俺は家に帰った。

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