夏の前の日

今月は俺の誕生日で
今年も一緒に過ごすと思ってた。

気づけば今日で23才。
会わないと、もうすぐリンは
東京へ行ってしまう。

気分は萎えて
俺は初めて仕事を仮病で休んだ。


ピンポーン


そんな中、家のインターホンが鳴った。
リン?って思ったけど
ありえるはずがない。

「はい」

「宅配便です。サイン、いーですか?」

注文した覚えがないのに。
なんなんだろう。

「ありがとーございます」

部屋にもって入ると
送り主は分からなかった。

開けると、ネックレスと1枚の手紙が
箱の中には入っていた。

字を見て、リンってことがすぐにわかって
涙が込み上げてきた。



最低で最高なユウへ。

お誕生日おめでとう
ユウのいない毎日は退屈よー。
いまはママの家でニートしてます
元気??
女遊びはほどほどに
お仕事がんばってね。
いい1年になりますように。



「クソ・・・ッ」

ネックレスはずっと俺が
欲しがっていたもの。

キャバクラでナンバーワンにでもなれば
余裕なのかもしれないけれど
高価すぎるし。


なぁリン。
どうしたらお前は俺のところに
帰ってくるんだ?
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