夏の前の日

悲惨な誕生日。

そう思ったら、付き合い始める前から
俺の誕生日のときにはリンがいた。

「もう、23かぁ。」

携帯を見るとたくさんの女からのライン。
リンがいなくちゃなんの意味もない。

少しの生活のスパイスだった。
味がないんじゃ刺激物だけあっても無駄。



それから数日経ったある日の夕方
リンから連絡が来た


【明日、出発する】


ーーー絶望って言葉が合うのか。

会っておかないと二度とリンに
会えない気がして
ダメもとで返信をした。


【最後に会えん?
 駅から近いし、泊まってけよ】


すぐに既読がついて
【アンのとこ泊まるけん。
 それまで行くね。もう駅つくよ】
ってまさかのラッキーな返信。


「まじかよ・・・やば」

嬉しくて思わず、笑みがこぼれた。
急いで部屋に掃除機をかけて
駅までリンを迎えにいった。
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