夏の前の日

「リン・・・」

「バッカじゃないの!!!」

いきなり飛び込んできた罵声。
涙を浮かべた大きい目は
真っすぐに俺を見据えていた。

「なんでまた1人にするん!
 もう呆れたよ」

「・・・・・。」

「って思えれたらよかったのに。
 あの日、連絡は来たあとからずっと
 仕事が手に付かなかった。」


あぁ、本当に俺は馬鹿だ。


「入ってる仕事だけ終わらせて
 こっち戻ってきたんよ。
 弁護士の人から連絡来たけど
 まだ会えないっていうじゃんか」


リンはどんなときも
俺の隣にいてくれたんだった。


「今日から接見とれるって聞いて
 速攻来たんじゃ。
 また、こんな形で会うとか
 思っとらんかったけビックリよ」


何から言おう。
何から話そう。


「痩せたんじゃないん。
 何かいるものはないん?」


なんで、こんなときでも
お前は俺を責めちゃくれないんだ。
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