夏の前の日
前日
時間は迫っていくばかり。
ーーー今日は、最後の日。
「リン、起きろって」
昨日の事情のまま眠ったリンは
全裸の細長い身体で寝返りして
俺の腕に絡まってきた。
「ユウ行かんで・・・」
また唸ってるのか。
1人じゃ眠れなかったリンは最近
俺がいてもこの調子。
そして同時にリンへの罪悪感が溢れる。
「ここにおるじゃんか、リン?」
低血圧でもあるリンは俺以上に
寝起きは悪かった。
「んー、、ユウ?おはよー」
寝起きのリンはまるで
ネコのように甘えてくる。
俺のたった1人の女。
どん底から救ってくれた救世主。
俺のーーー
嫁。