夏の前の日

盛った猿のように
二回もセックスをして

冷房がかかってるっていうのに
二人とも肌には汗が湿ってた。


「リンたちエッチしすぎ」

「こんなで終わると思うなよ」

「ちょー怖いんじゃけど!」


ゲラゲラ笑いながら
身体のベタつきなんて気にせず
ひっついたまんま
一本のタバコを二人で吸った。


気づいたらリンは夢の中で。
それを俺はずっと眺めていた。

寝るのが怖かった。
いつ、終わりがくるか分からない、
夢見心地な今が終わってしまうのが
怖くて。

寝て起きて、また、あの、
空間に戻ってしまっていたら
どうしよう、と。


勘繰りの柵から解けることはなかった。
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