夏の前の日
「今日出かけるんだろ?
ほら、起きて一緒にシャワー浴びよ」
ほんとならお姫様抱っこでもして
バスルームに連れて行きたいけど
リンは170センチを超える身長なもんで
体重は太れっていうほどガリガリだけど
やっぱり、少し難しい
一緒に朝を迎えて1日を過ごすのも
今日が最後だったりする
考えただけで目頭が熱くなるーーー。
「リン起きる。タバコとって」
「ほい」
共有しているマルメンのボックスは
キスをする口からも
同じ匂いと味がする。
「今日何しよっかー」
暑い夏の日なのに
お腹の傷が気になるとか言って
タオルケットにくるまって
タバコを吸いながら
今日の予定を考える。
「ユウのしたいことしよ?」
いつもお前は俺優先で
いつもお前は俺本意で
「・・・最後だし」
悲しそうに笑うお前を見て
必死に涙を堪えた。