夏の前の日
「すっげえメンハラじゃん」
「別に人に構って欲しいじゃないよ。
趣味が被っとるだけ」
なんちゅー言い訳。
体中ピアスまみれで
本気のジャンキー。
趣味が被っとるだけって
そんなヘンテコな言い訳
誰が納得するんだ。
「レイが帰ってくるまで辛抱。
その間の現実逃避」
「ーーー男?」
「そう。13歳の頃から付き合っとる。
捕まったんだけどね、少年院」
で、怒られはしないってことか。
んでクラブってリンも結局そこらの女と
一緒ってわけで何か萎えた。
結局、男を猿扱いする女の方が猿。
ビッチだったりする。
「ヒップホップが好きなんよ。
ただ聞きたい。家に居ても仕方ないし
受験勉強は間に合ってるし。」
「クラブで聞くヒップホップが本物って
お兄ちゃん言ってたけど間違いない。
レイが何て言ってもクラブは行くよー」
ぶっ飛んでいるからか
自分のことをスラスラと話す。
そうか、中三ってことは受験生か。
間に合ってるってことは
こういうタイプって高校に行かないのか?
「人とかどうでもいい。
クラブで回すならいい曲流してって感じ。
そこにリンは行くだけだよー」