夏の前の日

「とりあえずシャワー浴びんぞ」

リンからタバコを取り上げて
灰皿でもみ消して

タオルと二人の下着を用意して
バスルームに向かった。

「あらユウ君、気が利くじゃない」

調子気にリンより少し身長の高い俺を
上目遣いで見て
お湯を貯めていた俺にリップサービス

チュ

「熱くない?」

「へーきだよ、ピッタシ」

リンを後ろから抱くように
バスタブの中へ入る。
いつもの鉄板スタイル。

「ほんっま、リンって幸せ者」

「最近の口癖だな。
 普通、この状況だと言えねーよ」

「だって幸せなんだもん。
 ユウのこと、好きすぎて死ぬ」

俺がいないとダメだって
リンはいう。
この状況下で幸せだって
リンは言う。

・・・そう言われる俺は
もっと幸せだけれど。
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