夏の前の日

俺らの技。

他にこんなことしてる馬鹿なんて
いるんだろうか?

なんて思ったら、笑えてきた。

「はぁーウケる」

吊られて、リンも笑う。

「ユウ好きだなー、楽しいほんっま」


こんな日常がいつまでも
いつまでも続けばいいのに。
本当に。

だからさ。

「リン頼むけん病院は行けって。
 な?じじいばばあなっても俺は
 お前とずっと一緒におりたいけん」

「・・・うん」


数々の病院でのトラウマ。

何十回と手術や入退院を繰り返して
苦痛すぎるほどの治療もして。

本当に病院嫌いなのは分かってる。

けど、見過ごす訳にはいかない
この現状。

少しでもよくなってほしい思いが
募りに募って行く日々だった。


俺が全部貰えんでも
シェアできたらどれほど楽なのか。


「しんどいと思うけど。
 頑張ろうな」

「うん」
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