夏の前の日
今日はどうしようか。
俺の頭に流れてきた疑問。
外はうろつけないし。
「リン、今日は何する?」
「えーユウから離れんのんなら何でも」
なんちゅーアバウトなアンサーなこと。
それには俺も同意見だけれど。
「レンタカー借りてどっか行くか?」
「えーそれもやだ。運転に集中する」
そしてやっぱり我が儘な姫なこと。
あーやばい。
回って来た。
お湯に浸かっているから血行がいいし、
THCが体内に回るのがいつもより早い。
「キマった」
「大好きなものまみれで幸せすぎる」
風呂にガンジャに、俺。か?
ああ。俺って最高に幸せ者じゃんか。
何この状況。
逃走してるのに夢心地なのは
まだまだ終わりそうもない。
気づけばフィルターの根元まで吸い上げた
ジョイントはただの紙切れで。
それを、バイトかパートのやつが謎に思って
処分してくれるだろうと。
風呂場に投げ捨ててから
リンをこっちに向かせてから
キスをする。
「なにいきなり」
ぶっきらぼうで答えるリンの口を
もう一度塞いでみた。