夏の前の日
「ごめんな」
そうとしか、言えなかった。
リンに愛してるとか
そんな臭い台詞を言う前に
ごめん
と
ありがとう
を
たくさん言わなくちゃいけない。
「ほんとに、ごめんな」
ただ、抱きしめて
そうとしか言えない俺って
ださすぎる。
大好きで愛してるはずなのに
泣かせてばっかの俺をなんでこんなに
愛してくれるんだろうか
「・・・ごめん、ユウ。
リン覚悟してたのに、ごめんね」
もっともっと俺を責めてくれれば
少しは楽なのに
なんで涙を流しながら笑うんだ?
なんで、辛いのに笑うんだ。
ーーーなんでリンが謝るんだよ