罪人と被害者
「なにさ…どーしたの?何怒ってるの?」
「怒ってるっていうか…その…」
おずおずと席に戻りながら、居心地悪そうに視線を下にする。
怒鳴ったことに自分で驚いているようだ。
あんまり表情変えない人だしなぁ、怒鳴ったりとか経験少ないのかも。
「………今お前、明らかに死にかけてる目ぇしてた」
「え?」
「感情のないっていうか…」
だってそれは、僕をいらないって言ったから…。
「ああ…寝起きだからまだ眠くって」
「そ、そうか」
にっこりと笑っていえば、安心したようだ。
「……びびった…俺何かしたのかと」
ため息をついてカップ麺を手繰り寄せる。
そんなに心配させるような顔をしていたのかな。
一一てゆーか、何心配してんだ?
だって昨日今日あったばかりの僕じゃないか。
名前だって教えてないのに、どうして。
「……うん、した」