罪人と被害者
「…な、にして」
「おまたせっ」
「は?」
押し倒す形て無邪気に笑う男の子。
「え?お風呂から上がったから…」
「食わねぇよっ」
ひどい誤解をされてるみたいだ。
「ええ!?だってじゃあなんで僕ここにいんのよさー」
手で彼をどかして、もそりと起き上がる。
顔はなぜか不服そうだ。
「だからこれは善意だってば」
「見返りないと怖いから食ってよ」
「俺は男色もなにもない」
それでもなぜか不服そうで、意味がわからない。
「…だって、悪いじゃん。
何もしないで置いてもらえるなんて、僕穀潰しみたい。
何か見返りがあったほうが気が楽なんだ」
「……」
変わってる。
素直に甘えればいいのに、この子は。
「…頼むから。ひとの善意って苦手なんだよ」
自嘲気味に笑いながら言うものだから、なぜか胸が締め付けられた。
…この子、どんな生き方してるんだ?