罪人と被害者


……圧倒、されていた。


「おい…お前、いくつだ?」

「14。でもねぇ、まだファミレスおこさまドリンクバー使えんだ。感謝してるよ、この童顔は」


14とは思えない、筋の通った考え。

あっている、確かに、彼の言うことは。


あってるということは、俺の一一28年以上の経験を積んでるということ。


彼はこの歳で人生を見切ってしまったのだ。



そしてそれは、少なからず合っている。

この世の原理と、重なっている…。


「……」


『廻ってるの。次は私がする番かなって…』

『まさか本気にするなんてね、ハハッ、哀れで面白い』


…脳裏に、嫌な女の声が響く。

自分の利益で俺に善意を振りまいた、その女の声が。

結局は裏切った声一一




「違う、ガキが」





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