君色ドラマチック
その心地いい声音に浸るようにして、私はいつの間にか眠ってしまっていたみたい。
ふと目を覚ますと、結城と同じベッドで、私は彼の腕の中にいた。
目の前には、見慣れた結城の寝顔が。
私と結城は、一緒に寝てもほとんど恋人らしいことをしない。
この前抱き合ったのは、何か月前だっけ。
寝ても覚めても服のことばかり考えていて、その話しかしない。
それでも、別に不満はない。
私だって、結城の作る服が大好きだから。
結城と服の話をしている時間は、抱き合っている時間と同じくらいか、ひょっとしたらそれ以上、充実しているし、意味があると思っている。
でも……不満はないけど、不安はたくさん。
私たちの間から服をとったら、果たして何が残るだろうか。
もし私がパターンを引けなくなったら……それでも、結城は私を必要としてくれる?
考えるのが怖くて目を閉じると、結城と出会ったばかりのころのことを思い出した。