君色ドラマチック
「多分だけど、結城はデザイナーとしての自信を保つために、お前が必要なんだ。色弱のお前は、結城から離れては仕事ができない。絶対に自分を裏切らないと思っていた、そんなお前が突然、俺の服を着て現れた」
途中、すごく傷つく部分があったような気がするけど、今注目しなきゃいけない点はそこじゃない。
私は黙ったまま、じっと次の言葉を待つ。
「俺の服を着て、お前はモテ女に変身した。そこで、自分よりお前に似合う服を作った俺に嫉妬し、そして恐れをなしたんだろう。結城は自分を一番に肯定してほしいのに、服を着ていただけで、お前が俺の方を支持していると感じたんだろう」
「はあ……」
そりゃあ櫻井さんの服は周りも大絶賛で、服単体で見れば私も素敵だなと思う。
けど、全くジャンルが違う結城と比べたりはしていなかったのに……。
「結局、お前らは依存しあってるんだよ。それでいいのか?」
「……わかりません……」
結城が私に依存しているなんて、ありえるだろうか?
私が結城に依存しているのは、誰から見ても明らかだけど。
それでいいのかと聞かれると、ますます混乱する。
今のままじゃダメ?
ずっとこの関係を続けていけたら……。