恋桜
その後、1人残された私も家族や咲希と無事に合流することが出来た。
私は、すぐに咲希にだけ、あの桜の木のことと、そこで会った男の子とのことを話した。
小さな桜の木が綺麗だったこと。
男の子に初めて自分の名前を褒められたこと。
私は、そんなことを無我夢中で話していた。
今思うと私は、咲希にそんな話をしていた時点で、もうすでに恋をしていたのかもしれない。
あっという間の出来事だったのに、今でも忘れられないあの日の出会い‥。
あの小さな桜の木が、私とあの男の子を出会わせてくれた。
名前すら聞くことも出来なかった私の初恋‥。
それはあの日以来、今でも続いている恋。
またいつか、あなたに会えることを信じて‥今日も私は恋をしています。