運命のブレスレット
☆第1章
蘇る想い 萌南SIDE
ピーッピーッピーッピーッ
「オーライ、オーライ、オーライ…」
二階の窓から家の側に止まるトラックが見える。
「萌南ー!荷物運ぶの手伝ってちょうだい。」
階段の下からお母さんの呼ぶ声がした。
「はーい!」
急いでパーカーを羽織って階段を降りる。
私、大谷萌南(おおたにもえな)15歳は関西の方から東京に引っ越してきた。
正確に言うと、実家に帰ってきたんだけど。
私は元々東京生まれで、幼稚園までは東京のこの家で過ごしていたんだけど、私が喘息持ちだからっていう理由で小学校からはお母さんと関西に移り、お父さんだけ東京に残して従姉妹達と同じ学校に通った。
でも高校からは喘息もマシになったし、やっぱり実家の方が良いということで、再び東京の実家に戻ってきたんだ。