イジワル上司の甘い求愛
「なにか悩みでもあるんですか?有瀬さん」
本日、何度目かの大きな溜息に隣のデスクで仕事していた後輩の濱田くんが首を傾げながら尋ねる。
「えっ?!ううん。ちょっと考え事してただけ。大丈夫!!」
「そうなんですか?最近、有瀬さん元気ないから」
「えっ?そうかな?」
濱田くんの観察力に驚きながらも、まさか悩みの原因が『犬猿の仲』って言われている浦島さんのことだなんて口が裂けても言えなくって、視線を躍らせる。
「そうですよ。てっきり僕は、浦島さんのこと考えてるのかなって思ってました」
「なっ、!!!」
図星過ぎて、動揺を隠しきれずに変な声をあげたら、濱田くんがわざとらしく肩を竦める。