イジワル上司の甘い求愛
何やってんだろう、私……。
駅から少し離れた赤や黄色のカラフルな電灯で彩られた建物の前で私はぼんやりと立ち竦んで動けずに後悔の想いがグルグルと頭の中を駆け巡っている。
玲美さんと外国人男性の熱いキスシーンを見かけてしまった私は、すぐに近くの通りに身を隠した。
キスを終えて、瞳を潤ませて上気したような表情の玲美さんは、キスした男性の腕に巻きつくように身体を寄せて歩き出した。
駅、ではなくて私がさっきまで飲んでいた繁華街の方へ向かって。
ドラマで見るような、きっとバレバレの尾行をしながら私は2人の後をなんとなくついてきてしまった。
多分、そこがいけなかった。
玲美さんと彼は完全に2人だけの世界で、私のことなんて全く気が付かない様子で、繁華街から少し外れたホテル街へと足を進めた。
そして、今私が立っている、この明らかにラブホテルとみられるホテルに入って行ってしまった。