イジワル上司の甘い求愛
「でも……」
プロジェクトの打ち上げなら来週のスケジュールに既に入っている。
もちろん、大岩さんだって出席予定者の一人。浦島さんはスケジュールの関係で欠席って話だった。
「予定、ある?」
浦島さんの低い艶のある声が耳をくすぐる。
「そういうわけじゃ……」
だって私、浦島さんに今会ってしまったら、何を喋っていいか分からないんですけど。
そんな私の揺れる心なんて、浦島さんが知るはずもなく浦島さんは少しだけ声を潜めて受話器越しに囁いた。
「2人きりじゃなくて、3人ならいいかなって思って。俺、チャキと会いたいんだ」
心が大きく揺れる。