イジワル上司の甘い求愛
「どうかした?」
まだ、ビールを一口しか飲んでいないはずなのに、顔中が熱くて仕方ない。
きっと茹でダコみたいに赤くなっているに決まってる。
これは浦島さんのせいなのに、絶対浦島さんだってそれを分かっているはずなのに、平然とした顔してそんなこと聞くなんて。
「別に、何でもないです」
浦島さんを睨んでみたら、浦島さんは可笑しそうに噴き出しながら、わざとらしく肩を竦めてみせる。
あぁ、もう、絶対からかわれている。
仕方ない、今日はもう飲まずにはいられないじゃない。
私は目の前に注がれたビールジョッキを勢いよく喉に流し込んだ。