イジワル上司の甘い求愛
目の前に座っている浦島さんが、さっきから2人に見えたり1人に見えたりする。
あれから、ビールジョッキをもう1杯空にして梅酒ロックに切り替えた。
明日は祝日でお休みで良かった。
たいしてお酒に強いわけではないのに、こんなにへべれけに飲むなんてきっと学生か新人の頃以来だ。
って、浦島さんは明日休みだというのに、私なんかとこうやって飲んでいてもいいんだろうか。
ふとそんな考えが頭を掠めたけれど、そんなことどうだっていいやって思えるのは、きっと頭がアルコールに浸っているせい。
「チャキ、あのさ」
最後の一本の焼き鳥を食べ終えた浦島さんが、私の表情を探るようにしながら口を開く。