イジワル上司の甘い求愛
浦島さんの背中には、きっと私が昨夜の情事で必死になってつけてしまったらしい5cm程の爪の引っ搔き傷。


浦島さんとの甘くって熱い一夜をまざまざと思い出して、身体がまた熱を帯びる。

どうしよう。私、浦島さんと一晩過ごしちゃった。

これじゃあ、私がやっていることは玲美さんと一緒じゃない……


浦島さんの背中の傷を見つめていたら、後悔の波が襲ってくる。


『千晶、好きだ。後悔はさせない』

ふと居酒屋の前で浦島さんに囁かれた言葉が頭を掠めた。


ごめんなさい、浦島さん。私、後悔している。


鼻の奥がツンとして、浦島さんの背中がぼやけて見える。


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