イジワル上司の甘い求愛

昨日一晩で、自分でもびっくりするくらい目の前の浦島さんのことが大好きなんだって実感した。

浦島さんは、玲美さんじゃなくって私で良いのかな?

酔っぱらった勢いも手伝って、雪崩れるように身体を重ねたけれど、冷静になったら浦島さんが玲美さんではなく私を選ぶ理由がこれといって見つからない。


玲美さんよりも浦島さんを想う気持ちは負けない。

だけど、それ以外は玲美さんに勝っているものが見つからない。

それに玲美さんは、社長の一人娘。
玲美さんとこのまま結婚すれば、浦島さんは出世街道一直線だってことは周知の事実。


浦島さんの幸せを私が邪魔するわけにはいかない。


私は、浦島さんを諦めるしかないんだよね。

心がどんどんと冷たくなっているというのに、頬には暖かな涙が1粒流れた。


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