イジワル上司の甘い求愛
お久しぶりです、浦島さん
ガタンガタンと心地よい揺れに身を任せながら、窓から見える景色をぼんやりと見つめる。


いつも通勤で利用している都心の街並みとは異なる風景。

平坦な土地にこれといった特徴のない建物が並ぶ住宅街。その向こうには、地図にも名前が載る山々が遠くに見える。


「課題終わったんなら見せてよ~」
「ねぇ、ねぇ、聞いてよ。彼氏が……」
「部活の後、どこか行かない?」

世の中はクリスマスも過ぎて、年末年始で慌ただしい。
だけど、この電車内は昔と変わらず年末だからといって乗客が多くなることもなく、懐かしい制服を着た高校生が賑やかな笑い声が響いている。


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