イジワル上司の甘い求愛

あの頃が懐かしいなぁ。

私もこの電車で、私だって同じ制服を着て目の前で楽しく会話している高校生と同じように、友達と周囲のことなんて気にしないでたくさんお喋りしていたっけ。

部活のこと、学校のこと、勉強のことや家族のこと、それから、うん、好きな人のこと。


好きな人……
浦島さんのこと、友達にたくさん話してたんだっけ。


懐かしい想い出を頭の中で手繰り寄せていたら、浦島さんの笑顔が思い浮かんで胸がひりつく。

浦島さん、今頃何してるんだろう。
玲美さんと一緒に年末年始を過ごしているんだろうか。

だめだめ、気持ちはもう封印したんだから考えるのはよそう。


私はふいに重たい溜息を吐きだした。

< 178 / 255 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop