イジワル上司の甘い求愛

浦島さんと一夜を過ごしたあの日から既に2ヶ月近くの時間が過ぎようとしている。

有給休暇を取得して、いつもより長い冬休みをもらって、私は実家に帰省しているところ。

入社してもう何年も冬休みなんていらないだとか、有給休暇を使うこともなかったんだけど、今年ばかりは部署のみんなに甘えさせてもらって、長めの冬休みをもらうことにした。

もちろん、失恋したからだなんて言えなくって、恩師の還暦パーティーを口実に。


だって同じ会社で、いつ会うかも分からない浦島さんと顔をあわせないといけないということを考えるだけで胸が苦しくって、どうにもならなくって、自分の気持ちを抑えることが辛くて仕方ないんだ。


今は、一人でゆっくりと考える時間が欲しい。

これ以上、あの会社にいる意味があるのかな。


2ヶ月近く浦島さんを避けるように過ごしていた私はこの間から転職すら考えてしまっている。


< 179 / 255 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop