イジワル上司の甘い求愛

見つめあったままどのくらい経ったのだろう。

「座ってるだけなら、交代してくれない?おじさん」

2人の間を壊すように背中に声をかけてきたのは、小学生低学年くらいの男の子3人組。


おじさんって……。
小学生にとっては大人の男性はきっとみんなおじさんなんだろうけど。

少しだけ頬を赤くしている浦島さんに私は思わず吹き出した。


「あぁ、ごめん」

小学生の発言に思わず苦笑いした浦島さんが、そそくさと立ち上がる。
私もそれにつられるように立ち上がると、浦島さんはスマートに私の手を繋ぐ。

「なぁ、おじさん。お姉ちゃんのこと好きなら、早くキスしちゃえよ」

空いたブランコにいち早く陣取った子供たちが私と浦島さんの背中にヤジを飛ばす。

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