イジワル上司の甘い求愛
改めまして、智哉さん

「千晶、あけおめ~」

まだ正月の雰囲気が残る冬休み明け初日の出勤日。
昼休みに裏通りのカフェ。
緩い挨拶をしながら目の前に座ったのは、他の誰でもない梨沙。

外は寒いね、なんて言いながら両手に息を吹きかけている。


「大ニュースがあるって、一体どうしたの?」

運ばれてきたメニューを眺めている梨沙に尋ねると、にっこりと意地悪な悪魔の笑みを浮かべてメニューから私の方へと視線を向ける。


大ニュースがあるってランチに梨沙から誘われたのは、つい1時間程前。

時々こうして呼び出されることはあったけれど、『大ニュース』だなんて言われて呼び出されたのは入社して初めてのこと。

梨沙に好きな人でも出来たのか、それとも会社で何かあったのかな。

梨沙を待つ間、いろんな考えが浮かんでは消えていく。

ううん、全く想像がつかない。

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