イジワル上司の甘い求愛
「それで、返事は?付き合ってるの?ちょっと、一から説明してくれない?」
興味津々の眼差しを隠すこともなく、矢継ぎ早の質問の嵐を浴びせる梨沙に私はたじたじだ。
「えっとぉ、返事はしてない」
「どうして?好きなんじゃないの?」
「どうしてそう思うの?」
「それは、見てたら分かるわよ」
そっか、やっぱり親友の梨沙には私の気持ちなんてバレバレだったよね。
「色々とあって、返事のタイミング逃しちゃったっていうか……」
デザートに出てきたキャラメルプリンを頬張りながらしどろもどろに答えると、梨沙は笑う。
「なんか浦島さんと千晶っぽいわね。周りから見れば想い合ってることなんてバレバレなのにいつも二人は意地を張っているし、気持ちはすれ違ってるんだもの」
「『犬猿の仲』ってみんなに言われ続けていたのに?」
「本当に険悪なら誰もそんなこと、本人たちの前では言わないでしょ?」
そんなこと梨沙に思われてたなんて驚く。