イジワル上司の甘い求愛
「もう玄関から廊下の話は終わった?今、どこの部分の打ち合わせしてる?」
私が言い淀んだことに、浦島さんは首を傾げながら企画部の室内を懐かしそうな表情を浮かべて歩いてまわる。
「階段下の収納です」
私はコーヒーを買いに行こうとしていたことすら忘れて、自分の席に腰を下ろしながらスリープ状態になっていたパソコンを再び動かす。
パソコン画面にはさっきまで頭を悩ませていた例の階段下収納のデザインが一面に映し出される。
「へぇ、それ?デザイン?」
いつの間にか後ろに来ていた浦島さんが私の隣の席に座りながら、興味津々といった様子で画面をのぞき込む。