イジワル上司の甘い求愛
「これで次の打ち合わせはきっと大丈夫だろう」
余裕の笑みを浮かべた浦島さんが私のデザインをもう一度見直して、的確にアドバイスくれた。
まとまっていなかった私の頭の中がきれいに整理されて、コンセプトの全体像までしっかりと把握出来た気がする。
これなら、いける。
自分でもそう実感できている。
この数日悩んでいたことが、30分足らずで解決したんだ。
やっぱり、浦島さんはすごい。
認めたくないけれど、認めるしか他ならない。
30分前の涙はもうすっかり乾いて、重たい空気も今は2人の間には消え去っている。
「ありがとうございました。助かりました」
素直な言葉が自然と口をついて出た。
ふと、浦島さんの横顔を覗き見ると、なんだかほんのり頬が赤らんでいる気がした。