イジワル上司の甘い求愛

「……有瀬さんは?」

「へっ?」

「うちの会社に入った理由」


ジョッキを置いた浦島さんが柔らかな笑顔で尋ねる。

「えっと、地元の大学でデザインを学んだんです。自分がデザインしたものが実際の商品になるってことがすごく楽しくて、今の会社に……」


なんだか本当に就職試験みたいだ。
恥ずかしくって、ご飯を頬張る。


「採用面接みたいだな」

浦島さんはご飯を頬張っている私の姿を眺めて肩を揺らして笑った。

どうやら考えていたことも同じようなことらしい。

「そうですね。改めて話すと、恥ずかしい」

私も浦島さんの笑顔につられるように頬を綻ばせた。

なんだか肩の力が一気に抜けた気がする。

2人の間の空気が和らいだのが分かった。

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