イジワル上司の甘い求愛
ふと浦島さんの横顔を見上げたら、なんだか難しい顔していた。
私の視線に気が付いたらしい浦島さんが、表情を和らげ『何?』とでも言うように首を傾げる。
私は慌てて何度か首を横に振って、真っすぐ前を向いて歩きだす。
すると、浦島さんが急に立ち止まったから、私は不思議に思って振り向いた。
浦島さんが私を真っすぐに見つめている。浦島さんの瞳がわずかに揺らいでいる。
それだけでも、私の胸が大きく高鳴ったというのに。
浦島さんが発した言葉に、私の鼓動はうるさいくらいに音を立てた。
「また飯でも食べに行かないか?チャキ」
どこか艶のある色気を帯びた声でそう言われて、私はその場で固まってしまった。