【完】今日も、君と初恋中 〜ヤンキーくんと甘い恋〜
◇ 未央side
* * ・ * ・ * *
怪我の手当てをするのなんて、初めてで。
消毒液を持ってきて、そっと傷口に掛ける。
しみないように、しみないように、って、すごく慎重に手当てをしていると、
静かな保健室に、ぽつりと春樹くんの呟きが響いた。
「未央ちゃん、ありがとう」
「いいえ…。
私、不器用だから申し訳ないくらいです」
今だって、消毒液が春樹くんの手からこぼれ落ちまくっちゃってます。
自嘲気味に笑顔を浮かべると、春樹くんは対照的に悲しそうな表情になる。
「男怖いのに手当てさせちゃってごめんね」
申し訳なさそうな声に、私はフルフルと首を振る。
「謝らないでください。
春樹くんが怪我なんて、すごく胸が痛くて……。
春樹くんが笑ってくれれば、それだけでいいんです」